【新生児〜生後3ヶ月】寝ない赤ちゃんにはスワドル|効果を引き出す使い方と注意点

  • 赤ちゃんがなかなか寝てくれない
  • だっこでは寝ても、ベッドに置くとすぐ起きる
  • モロー反射で何度も目を覚ましてしまう

そんな新生児〜生後3ヶ月の赤ちゃんに、私が睡眠相談でよくおすすめしているのが「スワドル」です。

「買ったけど効果がなかった」「嫌がって全然寝なかった」という声もありますが、その多くはサイズ選びや使い方に原因があります。

この記事では、スワドルの効果を引き出す使い方と、安全に使うための注意点を解説します。

目次

だっこだと寝るのに、ベッドでは起きる理由

「だっこだといつまでも寝るのに、ベッドに置いた瞬間に起きる」

これは子育てを経験した方なら誰もが共感する、非常によくある悩みです。

しかし、これは不思議な現象ではなく、赤ちゃんが起きてしまうのには明確な理由があります。

理由① 体の構造

新生児は大人とは違い、「手足は屈曲し、背中はゆるいカーブを描く」独特な姿勢をしています。つまり、基本姿勢が「少し丸まった状態」です。この姿勢になることで自然とリラックスできるため、だっこされていると気持ちよく眠ることができます。

しかし、ベッドは平面です。だっこのように体を支えてくれるものがないため、自分で姿勢を保たなければなりません。まだ体のコントロールが未熟な低月齢の赤ちゃんにとってはこれが意外と難しく、体勢が不安定で寝づらくなってしまうのです。

月齢が進むにつれて手足の屈曲は緩和され、体のコントロールもできるようになります。生後3ヶ月を過ぎる頃からは、徐々に平面でもリラックスできるようになってきます。

理由② 生き物としての本能

人間の赤ちゃんは未熟な状態で生まれます。一人では食事も移動もできず、誰かにお世話してもらわなければ生きていくことができません。そのため、誰かと密着していることや、揺れ、温もりは、赤ちゃんにとって最大の安心材料になるわけです。

現代の日本は安全な家があり、「ベッドに一人でいても急に外敵に襲われることはない」と大人は理解しています。しかし赤ちゃんの体や脳の仕組みは、現代の安全な環境に合わせて急に進化するわけではありません。

赤ちゃんにとって「一人になること=危機的状況」だと本能的に感じるのは、ごく自然なことなのです。

理由③ モロー反射など、赤ちゃん特有の反応

モロー反射とは外部の急な刺激(音や光、体勢の変化など)がきっかけで起こる反射です。ビクッとして両腕を広げ、その後何かに抱きつくように体を丸めます。

包まれていると反応が小さく済みますが、ベッドの上などでフリーで寝ていると、モロー反射がきっかけで目を覚ましてしまうことも少なくありません。

これら3つの理由から、生後3ヶ月までの赤ちゃんがベッドで一人で寝ることは、実は大変難しいことなのです。

スワドルが寝かしつけに役立つ理由

低月齢の赤ちゃんがベッドで一人で寝るのは難しいことではありますが、決して不可能ではありません。

寝づらい要素を減らす、つまり「自然な姿勢を保ち、適度に体を包んであげる」ことができれば、ベッドでも眠りやすい状態を作ることができます。

そこで役立つのが「スワドル」です。

スワドルの種類

スワドルには、大きく分けて「スワドルアップ(バンザイ型)」と「スワドルミー(巻き付け型)」の2つのタイプがあります。

スワドルアップ

「スワドル」と聞いて多くの人が思い浮かべるのが、手をバンザイのように上に挙げた状態で包む「スワドルアップ」です。

メリットは、赤ちゃんをのせてファスナーを閉めるだけなので装着が簡単。デメリットは、細かいサイズ調整ができないので、サイズが合っていないと効果が期待できないところです。

スワドルミー

赤ちゃんの手を下におろして、胸元をマジックテープなどでピタッと巻くタイプのスワドルです。

メリットは、上半身を赤ちゃんの体型に合わせてぴったり巻けるためフィット感が高いこと。デメリットは、スワドルアップに比べると着脱が手間なことです。

個人的には赤ちゃんにぴったりフィットさせられる「スワドルミー」が好み。夜間にスワドルを着せたままオムツ交換することを考えると、上記で紹介したような「足元にファスナーが付いている商品」がおすすめです。

ちなみに、私が一番好きなのは「愛波 おくるみスリーパー®」というスワドルです。新生児から使えて、寝返りの兆候が出てきたら手を出して使えるため、生後半年頃まで長く使えるのが大きなメリットです。ただ、現在は公式ショップでの取り扱いが中心で、Amazonや楽天では購入しにくいのが残念なところです。

布で赤ちゃんを包む「おくるみ」もありますが、以下3つの理由から、個人的にはあまりおすすめしていません。

  • キレイに巻くのが難しい
  • 赤ちゃんが動くとはだけてしまうことが多い
  • はだけた布が顔に覆いかぶさるなど安全面の心配がある

就寝時に使うアイテムだからこそ、安全を最優先に考える必要があります。とくに夜間は親も眠っているため常に見守ることは不可能です。安全かつ確実に効果を出すためにも、一枚布のおくるみではなくスワドルを推奨します。

商品選びで注意すること

ぴったりサイズを選ぶ

スワドルを選ぶ際は、「長く使いたいから」と大きめを選んではいけません。大きめだと効果がないうえに、首元の生地が緩んで顔にかかるリスクがあります。必ず現在の体重・月齢に合った「ぴったりサイズ」を購入してください。

股関節が自由に動くものを選ぶ

脚をまっすぐ伸ばした状態体育座りのように膝を閉じた状態で固定すると、発育性股関節形成不全(股関節脱臼)のリスクが高まります。

そのため上半身はぴったりフィットしつつ、脚はゆとりがあり股関節を自然に動かせるものを選びましょう。

効果を引き出す使い方

スワドルはただ闇雲に着せればいいわけではなく、効果を引き出すポイントを意識して使うことが大切です。

上半身をフィットさせる

サイズが赤ちゃんにフィットしているかどうかはとても重要です。サイズが緩いと、ほぼ何の効果も得られません。

とくに上半身は、赤ちゃんの体にぴったりフィットさせましょう。赤ちゃんが動いたときに手が簡単に外へ出てしまうようなら、巻き方が緩いサインです。

疲れすぎる前の「ベストなタイミング」で着せる

スワドルを着せるのが遅すぎると、赤ちゃんが疲れすぎて脳が興奮して寝づらくなり「スワドルを着ても寝ない」という現象につながります。

通常は疲れすぎる前、眠そうなサインが見られたらスワドルを着せて寝かせるのが基本です。もし着せるのが遅くなってしまった場合は、スワドルを着せた状態のまま、抱っこや授乳などいつもの方法で寝かしつけてみてください。

寝かせるタイミングや「疲れすぎ」の見分け方については以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:【赤ちゃんが機嫌良く起きていられる時間とは?|活動時間の目安と判断方法】

すぐに諦めず、2週間ほど続けてみる

「スワドルが嫌いなのか、着せたら余計に泣きます」
「うちの子には合いませんでした」

これは、私が睡眠相談でいままでに何度言われたかわからないくらい、かなり高頻度で聞く言葉です。

しかし多くの場合「スワドルそのものが嫌い」なのではなく、サイズが合っていなかったり、着せるタイミングがズレていたり、暑すぎるなど別の不快感があったりして、上手に活用できていないことがほとんど。

「うちの子には合わない」と数回諦めてしまってはもったいないです。サイズや使い方を見直しながら、まずは2週間ほど続けてみてください。

実際に当院で睡眠相談を受けてくださった生後3ヶ月以下の赤ちゃんで、スワドルがまったく効果のなかった子は、今のところ一人もいません。

もちろん、「100%全員が、スワドルを着せるだけで完璧に寝る!」とまでは言えませんが、スワドルを正しく使うことは寝かしつけが楽になる、非常に有効な手段だと実感しています。

使用前に必ずチェック!安全に使うための注意点

スワドルは赤ちゃんの眠りを助ける優秀なアイテムですが、間違った使い方をすると危険を伴うため注意が必要です。

正しい知識を持って、安全かつ上手に活用していきましょう。

熱がこもらないように室温・衣類を調整する

乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスク因子の一つに、赤ちゃんの「体に熱がこもること(うつ熱)」が挙げられています。

スワドルを使うときは服を着せすぎないように注意し、室温や湿度を適切に調整しましょう。

快適な室温の目安:20〜22℃(真夏は25℃程度)
快適な湿度の目安:40〜60%

室温が適正範囲内であっても、赤ちゃんの首の後ろや背中、お腹を触って汗をかいていたら「暑い」というサインです。薄着にしたり、室温を下げたりして微調整してください。

関連記事:【赤ちゃんが眠りやすい環境とは?|明るさ・室温・音・服装の整え方】

必ず「仰向け」で寝かせ、寝返り兆候が出たら卒業する

スワドルは両腕の動きを制限するため、着用したままうつ伏せになってしまうと自力で体勢を変えることができません。口と鼻が塞がれて窒息する恐れがあり大変危険です。

手をしまった状態でスワドルを使用する際は、必ず仰向けで寝かせてください。

一般的に寝返りは生後4〜6ヶ月頃に始まりますが、もっと早い子もいます。「体を横にひねる」「足を上げて横を向こうとする」など、少しでも寝返りしそうな兆候が見られたら、手を出せないタイプはすぐに卒業し、手を出せるタイプは両手を出した状態で使用してください。

まとめ

最後に、この記事のポイントをまとめます。

  • 低月齢の赤ちゃんがベッドで寝にくいのは、体の構造や本能から見て自然なこと
  • スワドルは、その「寝づらさ」を和らげてくれる非常に便利なアイテム
  • 効果を出すためには「サイズ選び」と「着せるタイミング」が何より重要
  • 股関節のゆとり、うつ熱対策、寝返り時の卒業など、安全ルールは必ず守る

スワドルは上手に使えばかなり優秀ですが、活用しきれていない人が多いアイテムでもあります。

「スワドルを試しても寝ない」「嫌がる」「これで合っているかわからない…」など、何がつまづきの原因になっているのかをプロと一緒に解決したい方は睡眠相談をご利用ください。


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この記事を書いた人

北川 真貴のアバター 北川 真貴 ソラチ助産院代表

助産師歴 21年 |授乳・睡眠・だっこ・整体・アーユルヴェーダ|
焦らず、比べず、正解や効率に振り回されない、やわらかい育児を発信。

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