なぜ仕組みを知る必要があるのか
- 母乳をもっと増やしたい
- 胸が張ってつらい
- 混合にしたい
- 断乳や卒乳はどう進めればいいのだろう
授乳について調べると、たくさんの方法が出てきます。
回数、時間、飲ませ方、搾乳、ミルクの足し方。
もちろん、それらも大切です。
でも基本が分からないまま方法だけを追いかけると、情報に振り回されてしまいます。
母乳は「出る・出ない」ではなく「増える・減る」
母乳が出るか出ないかは、体質で決まると思われがちです。
もちろん個人差はあります。
でも母乳は、体質だけで決まるものではありません。
体の中では、母乳を増やす働きと減らす働きが常に働いています。
つまり母乳は、「出る・出ない」ではなく、「増える・減る」という視点で考えた方が理解しやすいのです。
増やすにも、減らすにも、まずは仕組みを知ることが大切です。
母乳が増える仕組み(アクセル)
刺激がスイッチになる
母乳は、時間が経てば自然に増えていくものではありません。
赤ちゃんがおっぱいを吸ったり、搾乳で乳首に刺激が加わったりすることで、母乳が必要だという信号が体に伝わります。
そのため、母乳を増やすには、胸全体を揉んだり、長時間張らせたりするのではなく、乳首への適切な刺激が重要になります。
乳首への定期的な刺激(授乳・搾乳) → ホルモン分泌 → 母乳産生
「出すこと」が次の生産につながる
もう一つ大切なのが、実際に母乳を体の外へ出すことです。
体は、どれくらい母乳が使われたかをみて、次に作る量を調整しています。
たくさん使われれば、「まだ必要なんだな」と判断し、さらに作る方向へ動きます。
反対に、使われずに乳房の中に残り続けると、「そんなに必要ないのかもしれない」と判断し始めます。
母乳は、「刺激」と「実際に出されること」の両方によって、増える方向へ向かいます。
次の章では、減る仕組みについて詳しく見ていきましょう。
減る仕組み(ブレーキ)
たまった母乳が生産を抑制する
母乳は、体から出ていった量だけでなく、使われなかった量もみながら調整されています。
乳房に母乳がたまっていると、体はその状態をみて、母乳の生産を一時的に抑える方向に調整します。
これは、出ていかないのに作り続けると、胸が張りすぎて大変なことになってしまうためです。
胸が張ったり、母乳がたまった状態が続くと分泌が低下するのはこのためで、これは体を守るための仕組みでもあります。
胸が張ると、母乳の生産は抑制される。
「需要がない」と判断される
赤ちゃんがおっぱいを吸う回数が減ったり、ミルクを足すことで母乳があまり使われなくなったりすると、体は「必要量が減った」と判断します。
すると、母乳を作る量も少しずつ減っていきます。
これは異常ではなく、体が需要に合わせて調整している結果です。
需要が減ると、分泌量が減ってくる
長く使われないと、体そのものが変化する
さらに、母乳があまり使われない状態が長期間続くと、乳腺そのものが少しずつ縮小していきます。
断乳や卒乳のあとに母乳が作られなくなるのは、こうした変化が起きるためです。
母乳は、使われない状態が続けば自然に減っていく仕組みになっています。
使われない状態が続くと、生産機能が停止する。
なぜ「回数だけ」では説明できないのか
母乳を増やすためには、とにかく頻回授乳が大切だと言われることがあります。
でも実際には、分泌量は回数だけで決まるものではありません。
同じ8回授乳でも、よく飲めている場合もあれば、ほとんど母乳が飲みとれていない場合もあります。
つまり、
「3時間おき」
「1日○回」
「片方○分」
といった数字だけでは、本当の状態はわからないのです。
大切なのは回数そのものではなく、1回ごとの授乳でどれだけ効果的に母乳を飲み取れているかということです。
母乳の増減は、需要と供給の調整システム
母乳は、
「出ないのは体質」
「とにかく頻回授乳」
といった単純なものではありません。
体の中では、どれくらい母乳が使われたかによって、分泌量が調整されています。
母乳の増減は、需要と供給のバランスで決まる。
その仕組みを理解することで、自分に合った授乳方法を考えやすくなります。
母乳の増減はここまでお伝えした「需要と供給の仕組み」で説明できますが、それに加えてもう一つ重要なのが、産後すぐの過ごし方です。
この時期の対応は、母乳分泌の土台に影響します。
なぜ初期対応が重要なのかは、こちらで詳しく解説しています。
関連記事:母乳推進病院はスパルタ!? なぜ産後の数日がそんなに大事なのか。
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