母乳を増やしたいけど赤ちゃんがうまく飲んでくれない。そんなときに役に立つのが搾乳器です。搾乳器にはたくさんの種類があり、自分に合うのはどれなのか判断が難しいのではないでしょうか。
搾乳頻度が週に1回未満なら、正直どれを選んでも問題ないと思います。
しかし、母乳を増やすという目的があるのなら、私は両胸同時にハンズフリーで搾乳できる商品をおすすめします。
この記事では、私が両胸用ハンズフリー搾乳器をすすめる理由をわかりやすく解説します。
【結論】母乳を増やしたいなら「両胸同時搾乳」が効率的
母乳を増やすために搾乳しているなら、片胸ずつではなく、両胸同時に搾乳する方法(タブルポンプ)が圧倒的におすすめです。
両胸同時搾乳には、主に2つのメリットがあります。
プロラクチンが増える
母乳を作るために重要なホルモンのひとつが「プロラクチン」です。
たとえば双子の場合など、2人の赤ちゃんを同時に授乳すると、プロラクチン濃度の上昇は1人の授乳時と比べて2倍になるというデータがあります。(双子を産んだ母親が2人分の母乳を産生するのも納得できます。)搾乳でも同じように、電動搾乳器で両方の乳房を同時に搾乳するほうが、左右別々に搾乳するよりもプロラクチン濃度の上昇が大きいことがわかっています。
また、両胸同時搾乳では、左右別々に搾乳する場合と比べて射乳反射(母乳が湧き出る反応)の回数が増える、搾母乳のエネルギー量が増加するなど、オキシトシン分泌にも効果的に働くこともわかってきています。
このように、母乳を増やすために搾乳しているのであれば、片胸ずつ搾乳するよりも両胸を同時に刺激する方法を選ぶメリットは大きいといえます。
プロラクチンと母乳分泌の関係については、こちらの記事で詳しく解説しています。

搾乳時間を短縮できる
両胸同時搾乳のもうひとつのメリットは、搾乳にかかる時間を短縮できることです。
「両胸同時に搾乳したら時間が短くなるのは当たり前では?それがそんなに大事?」と思うかもしれませんが、これは搾乳を続けていくうえでとても重要なことです。搾乳が1日1〜2回程度なら、1回10分短縮されたところでそこまで影響はありません。しかし搾乳回数が増えれば増えるほど、その差は大きくなっていきます。
母乳を増やすことが目的の場合、1日の搾乳回数は7〜8回(約3時間ごと)にも及びます。とくに「赤ちゃんが直接飲めない」「飲みはするけどうまく飲み取れない」などのケースだと、
①直接おっぱいを飲ませる
↓
②足りない分のミルク(または前回とった搾乳)を準備して飲ませる
↓
③ゲップやおむつチェックなどをして赤ちゃんを落ち着かせる
↓
④搾乳する
というように、1回の授乳にやることがたくさんあり、すべてを真面目にこなそうとすると1時間を超えてしまうことは珍しくありません。
毎回の授乳に時間がかかると負担が大きく搾乳を続けることが困難になり、母乳を増やすという目的を達成しづらくなってしまいます。
ハンズフリーならさらに負担なく続けやすい
母乳を増やしたいという目的が明確なら、両胸用搾乳器の中でも、私はハンズフリータイプをおすすめします。
ハンズフリーなら搾乳中に搾乳器を手で支える必要がありません。両胸に搾乳カップを装着して電源ON。あとは座ってスマホを見たりお茶を飲んだり、立って少し片付けをしたり、搾乳中に行動を制限されずにすみます。
実際私が相談を受けている中でも、「赤ちゃんのお世話もあるから搾乳する時間を確保できません」という理由で、母乳は増やしたいけど搾乳を続けられない人は多いです。せっかくやる気を出して搾乳器まで買ったのに、その搾乳器を活用する「手」が空いていないせいで実行に移せないのは本当にもったいないなと思います。
ただ、ハンズフリーの両胸用搾乳器は、手動や片胸電動のものに比べて価格が高い傾向にあります。搾乳頻度が高くない人や、家族の協力が手厚く搾乳時間がたっぷりあるという人は、価格と効果のバランスを考えて商品を選べばいいと思います。
メデラの搾乳器はパーツも少なく扱いやすくておすすめです。
まとめ
とにかく母乳を増やしたいなら、できるだけ母乳を体の外に出すことが欠かせません。搾乳は時間と手間がかかります。その作業が重すぎると、続けることは困難です。
便利なアイテムをうまく活用しながら可能なかぎり短時間でストレスなく搾乳を行い、母乳を増やすという目標を達成してもらえたらと思います。
そもそも搾乳ってどれくらい取ればいいの?という方はこちらの記事をご覧ください。

「せっかく搾乳器を買ったのに、搾乳器でうまく母乳がとれない!」そんなときの対策はこちらにまとめています。

参考文献
[1]水野克己『よくわかる母乳育児 改訂第3版』へるす出版、2023年、pp.38-39
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