赤ちゃんが寝ない原因のひとつに、「寝かしつけのクセ」があります。
寝かしつけのクセとは、抱っこや授乳など特定の方法がないと眠れない状態のこと。それを変えていく取り組みが、ねんねトレーニング(以下:ネントレ)です。
この記事ではネントレの本質やよくある誤解、代表的な方法について解説します。
ネントレは必ず「睡眠の土台」を整えてから行います。
眠りづらい状態でネントレを始めると泣きが長引き、挫折する可能性が高くなるからです。土台の整え方は以下の記事で解説しています。ネントレを始める前に、まず確認してください。

睡眠の土台の中でもとくに「寝床の安全性」は絶対に外すことのできないポイントです。安全でない環境でネントレを開始することは避けてください。寝床の安全性については、以下の記事で詳しく解説しています。

ネントレの適応かどうかの判断基準
「子どもの睡眠に困りごとがある=全例ネントレ適応」ではありません。ネントレは「寝かしつけのクセ」が問題の原因になっている場合に行います。
また、ネントレを始める時期は、基本的に生後6ヶ月以降です。
まずは、寝かしつけのクセ以外に眠りを妨げている要因がないかを確認し、必要に応じて調整します。
- 哺乳量不足や、睡眠を妨げる医学的な問題がないか
- 睡眠環境に不備がないか
- 生活スケジュールが乱れていないか
- 疲れすぎなど、寝つきを妨げる要因がないか
こうした要因を確認・調整してもなお、
- 授乳や抱っこなど、特定の介入がないと寝付けない
- 夜間頻繁に起き、そのたびに寝かしつけが必要
といった問題が残り、なおかつ親が対応に疲弊している場合に、その改善を目指してネントレを行います。
代表的なネントレ方法
ネントレにはいくつものメソッドがあり、方法や呼び方もさまざまです。ここでは、代表的な3つのメソッドを紹介します。
フェイドアウト・メソッド
子どもを寝床に置いたら、親は日数に応じて決められた位置に座り、子どもが眠るまで見守る方法です。
1〜3日目は寝床の横、4〜6日目はドアと寝床の中間、7〜9日目はドアの前、というように、徐々に座る距離を広げていき、2週間ほどかけてひとりで寝付けることを目指します。
眠るまで親が見守るため親子ともに取り組みやすい一方、親が近くにいるのに抱っこしてもらえないことで、かえって泣きが長引くこともあります。

タイムメ・ソッド
子どもを寝床に置いたら、親は部屋を退室します。決められた時間が経過しても激しく泣いていたら入室して姿を見せ、1分以内に退室。これを子どもが眠るまで繰り返します。
初日は3分、5分、8分、以下8分ごとに入室。
2日目は5分、8分、10分、以下10分ごとに入室、というように、徐々に入室までの間隔を長くしていきます。
一定の間隔で親が様子を見に行くため、完全に退室したまま進める方法より親の心理的負担が少ない一方、入室することで子どもがかえって興奮することもあります。

エクスティンクション・メソッド
子どもを寝床に置いたら、親は退室します。そのまま子どもが眠るまで入室せず、親は寝室の外で待機する方法です。
親の介入をなくすため、比較的短期間で入眠方法が変わりやすい一方、「子どもを泣かせっぱなしにしている」という親の心理的負担が大きくなることがあります。

ネントレの本質
ネントレには代表的なものだけでも3種類あり、それ以外にも多くの方法が提唱されています。方法や呼び方はさまざまですが、目指しているものはどれも「子どもが自分で眠れるようになること」です。
今まで「親に手助けしてもらいながら眠りに落ちていた」けれど、今日からは「助けをかりずに自分で眠りにつく」。それは子どもにとっては大きな変化なので、「うまく寝付けないよー!」「いつものように助けてよー!」と泣いてしまうのは、ある意味で当然です。
でも、自分で眠る方法を覚えたら、助けを求めて泣く必要がなくなります。それを目指すのがネントレです。
つまり、どのメソッドも、親が寝かしつけをするのではなく、あくまでも「子どもが自分で眠りにつくことを、陰ながら応援する」というスタンスです。親が顔を見せる場合も、安全を確認したり「ここにいるよ」を示すためであって、「泣き止ませる」「寝かしつける」ためではないのです。
我が子が泣いているのを見るのはつらいことですが、その先にある「親子共にぐっすり眠れる日々」のための練習期間なんだと捉えて、この時期を乗り越えましょう。
ネントレを行うときの注意点
ネントレを始める前、始めた後は以下の点に注意しましょう。
- 始める前に、睡眠環境や生活リズムなど、眠りを妨げる要因がないか確認する
- 寝床の安全性を確認したうえで行う
- 旅行や帰省など、生活環境が大きく変わる予定がある時期は、ネントレの開始を避ける
- 子どもの体調が悪いときは、無理に始めない
- 昼寝ではなく、まずは夜の就寝から始める
- 父・母など複数の人がネントレを行う場合は、対応方法を統一し、一晩の担当者は途中で交代しない
- 開始後に発熱など体調不良が見られたら一旦中止する
- 体調不良がない限り、始めたら途中で別の寝かしつけ方法に切り替えず、2週間程度は一貫して取り組む
- 泣き方や体調などに普段と違う様子がある場合は、「ネントレによる泣きだ」と決めつけず、安全確認を行う
- 子どもには「自分で寝る力」があると信じる
ネントレで大切なのは「一貫性」
ネントレは、一貫性をもって続けることが何よりも大切です。
泣きに耐えられなくなり親が手助けをしてしまうと、子どもは「泣き続ければいつもの寝かしつけをしてもらえる!」と学習します。そして、次はもっと長く泣くようになってしまいます。
だからこそ、ネントレを始めるなら、親自身が「これなら続けられる」と思える方法とタイミングを選びましょう。もし続けられる自信がないのなら、そもそもネントレをしないという勇気も必要です。
ひとりで頑張らなくても大丈夫
ネントレを始めると、「この泣き方はどうすればいいの?」「昨日はできたのに、今日は全然うまくいかない…」と迷う瞬間が必ず訪れます。ネントレは状況に応じた柔軟な判断が必要になるため、ひとりで一貫性を保ち続けるのが難しいケースもあります。
家庭ごとの課題に寄り添い、具体的な解決策を伴走しながら考えていく専門家が「睡眠コンサルタント」です。
解決へのアプローチのひとつとして、こうした外部の専門知識を活用するという選択肢もあります。
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