赤ちゃんがぐっすりとスムーズに眠れるかどうかは、「眠る環境」も大きく関係しています。
私が実際に行っている睡眠相談でも、最初に取り掛かるのが「環境の確認と調整」です。
この記事では、赤ちゃんが眠りやすい環境について詳しく解説します。
整えるべき5つのポイント
快適な睡眠のためには「光」「音」「室温・湿度」「服装」「寝床の安全性」の5つをチェックします。
これらは快適な睡眠の土台であり、睡眠に困っているならこの5つはすべて点検し、調整する必要があります。土台となる睡眠環境が整っていなければ、その後の対策が十分に効果を発揮できない恐れが。
逆に、環境を見直しただけで問題が解決することもめずらしくありません。
それでは、各要素を一つずつ見ていきましょう。
光
光は、赤ちゃんの体内時計を整えるうえで重要な要素です。
- 朝起きたらカーテンを開け、朝日を浴びて体内時計をリセットする
- 夜は寝室の遮光を徹底し、真っ暗な環境を作る
- お昼寝は、昼夜の区別がつく生後2ヶ月頃までは明るい環境で、それ以降は暗い環境で寝かせる
赤ちゃんが眠りやすい光環境の整え方はこちらの記事で詳しく解説しています。

音
眠る環境というと「静かな方がいい」と思うかもしれませんが、意外とそうではありません。とくに低月齢の赤ちゃんは胎内で常に音がある環境で過ごしていたため、無音よりも一定の音がある方が安心して眠れます。
そこで役に立つのが「ホワイトノイズ」です。
ホワイトノイズは赤ちゃんの寝床から2mほど離し、50dB程度の音量で一晩中流します。
月齢が上がってからもホワイトノイズは役立ちます。50dB程度の音量でも、周囲の音をマスクしてくれるからです。リビングからの生活音や、明け方のバイクの音、同室の大人の寝返りの音などで赤ちゃんが起きてしまっているようなら、ホワイトノイズを試してみてください。
またこの音は、赤ちゃんの「あー」などの寝言に親が起こされてしまうことを防ぐ効果もあり、親子双方の安眠につながります。
ホワイトノイズ専用の機器がなくても、換気扇での代用も可です。
室温・湿度
赤ちゃんの睡眠にとって適した室温は20〜22度、湿度は40〜60%が目安です。ただし、真夏は20度まで下げようとすると冷房が強くなりすぎるため、25度程度を目安に調整します。
大人にとっては少し肌寒く感じるため心配になるかもしれませんが、赤ちゃんは暑い方が眠りが浅くなり、夜泣きなどのトラブルにつながりやすくなります。
また、1歳未満の赤ちゃんは乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを下げる意味でも、暑すぎないことが重要です。
部屋の温度が同じでも、暑さ寒さの感じ方は部屋の位置や寝る場所で変化します。
- 首の後ろや背中が汗ばんでいないか
- 太ももやお腹が冷えていないか
- エアコンの風が直接当たっていないか
これらも確認して、暑い寒いを判断しましょう。
服装
身体に熱がこもることで起こる可能性がある乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを下げるためにも、着せすぎに注意します。
[服装の一例]
寝返り前:スワドル使用の場合
【夏】半袖肌着 + 薄手スワドル
【冬】肌着 + 長袖ウェア + スワドル
寝返り後:スリーパー使用の場合
【夏】半袖肌着 + 薄手スリーパー
【冬】肌着 + 長袖ウェア + スリーパー
服装について「なにを何枚着せればいいですか?」という質問はとても多いのですが、室温や湿度、服の素材などによって変わるため、一律に決めることはできません。
基本的には「ちょっと暑がりな大人が、快適と感じる服装」を目安にするといいです。自分は暑がりか寒がりか、その自分が今どのような服装で快適と感じるか。それを基準として、赤ちゃんの服装を判断してみてください。
寝床の安全性
アメリカ小児科学会(American Academy of Pediatrics:AAP)では、少なくとも生後6か月、できれば1歳までは親と同室で、赤ちゃん専用の寝床(ベビーベッドなど)に寝かせることを推奨しています。
また、こども家庭庁でも、安全な睡眠環境として以下のポイントを示しています。
- 布団やマットレスは平坦で硬めのものを
- 1歳までは掛け布団は使用せず、スリーパーなどの着用や空調で温度を調整しましょう
- 寝床には、ぬいぐるみやタオルなどの物は置かずにすっきりと
- 赤ちゃん専用の寝床(ベビーベッド等)は安心につながります。大人の身体で赤ちゃんの鼻や口をふさぐ危険がある添い寝には注意を
- ベビーベッド等の睡眠環境製品は使用方法・対象年齢を確認し、正しく守りましょう
睡眠中の窒息事故だけでなく、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを減らすためにも、寝床の安全性を整えることは重要です。
赤ちゃんの睡眠環境でよくある疑問
「毎回真っ暗にしていたら、そうじゃないと寝れない子になりませんか?」
「どんな環境でも寝られる子に育ってほしいです」
たしかに、どんな場所でも眠れることは、親にとっても子どもにとっても素晴らしい力です。今、子どもの睡眠に困りごとがないのなら、改めて環境を整える必要はないでしょう。
しかし、困っているなら、まずは環境を見直すことをオススメします。
睡眠不足が続くと、以下のような悪循環に入ってしまうことはめずらしくありません。
睡眠不足が続く
↓
疲れすぎて寝づらくなり、少しの刺激にも敏感になる
↓
さらに寝られなくなる
この状態で「どんな状態でも寝られる子になって!」は、少し酷です。まずは親子ともに睡眠不足を解消し、その後に、眠る力を少しずつ育てていきましょう。
まとめ
赤ちゃんが眠りやすい環境を作るためには、「光」「音」「室温・湿度」「服装」「寝床の安全性」の5つを整えることが大切です。
「遮光しています」と言っていても隙間から光が漏れていたり、温度計では適温でも赤ちゃんの寝る場所では暑かったりすることは少なくありません。
やっているはずなのになぜか赤ちゃんが寝ないなら、眠る環境をもう一度ひとつずつ確認してみましょう。
睡眠環境を整えてもなかなか寝つけない場合は、赤ちゃんが眠りやすいタイミングを逃している可能性があります。眠りやすいタイミングについては、以下の記事で詳しく解説しています。

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